【外国人に対する入国制限措置の更なる延長】ブラジルにおける新型コロナウイルスに関する注意喚起

2021/03/12
【要点】
2021年1月26日、ブラジル政府は、ブラジルへの外国人の入国を国籍に関わらず制限する措置を延長する旨発表しました(同日付で施行)。 その主な変更点としては、これまでの制限等に加え、(1)南アフリカからの便及び渡航者に関する制限が追加され、また(2)ブラジル入国を伴わない国際トランジットにおいても、 PCR検査陰性証明書及び旅行者健康状態申告書の提示が義務づけられました。

【本文】
● 1月26日、ブラジル政府は、ブラジルへの外国人の入国を国籍にかかわらず制限する措置(政令第652号)を公布しました(同日付で施行)。
なお、前回の政令(1月8日付政令第651号:政令第648号に航空事業者等に対する措置が追加されたもの)からの変更点として、 下記(第7条)で、南アフリカからの便及び渡航者に関する制限が追加されました。また、下記(第7条)で、ブラジル入国を伴わない国際トランジットにおいては PCR検査陰性証明書及び旅行者健康状態申告書の提示の義務は免除されるとの規定が削除され、それらの提示が義務付けられました。
詳しくは以下、政令第652号のURLを参照してください。【PORTARIA Nº 652, DE 25 DE JANEIRO DE 2021】
https://www.in.gov.br/en/web/dou/-/portaria-n-652-de-25-de-janeiro-de-2021-300740786

以下、政令第652号の要旨です。
この政令は、国家衛生監督庁(ANVISA)の勧告に基づき、国籍に関わらず、外国人の入国を例外的かつ一時的に制限する措置について定める。

第1条 この政令は、2020年2月6日付法律第13,979号第3条第6号の規定により、国籍に関わらず、外国人の入国を例外的かつ一時的に制限する措置について定める。
第2条 国籍にかかわらず、陸路又は他の陸上交通機関及び水運による、外国人の入国を制限する。
第3条 この政令で定める制限は、以下の者に対しては適用されない。
(1)生来のブラジル人及び帰化したブラジル人
(2)ブラジル領土内に一定期間または無期限の在留資格を有する移民
(3)国際機関のミッションによる外国人専門家で、身分証明可能な者
(4)ブラジル政府に接受された外国政府職員
(5)以下の外国人
ア ブラジル人の配偶者、事実婚者、子供、親または後見人
イ 公益または人道上の観点から、ブラジル政府によって特別に入国が認められた者
ウ 国家移住登録証を保有する外国人(当館注:国家移住登録証(CRNM: Carteira de Registro Nacional Migratorio) 、
  又は有効な外国人登録証(CIE :Cedula de Identidade de Estrangeiro、通称「RNE(CIE記載の外国人登録番号)」)
(6)貨物輸送 (省略)

第4条 この政令で定める制限は、以下を妨げるものではない。
(1)現地衛生当局により事前に承認された、国境を越える人道的行動の実施
(2)市街地に国境線を有する都市間の住民(国境地域に住む証明書、あるいはその他の証拠文書を示すことが必要)の交通。但し、当該隣接国がブラジル人に対して相互主義に基づく対応を保障する場合に限る。
(3)運転手が上記4(第3条)の対象に該当しない場合も含めた、法の定める陸上貨物輸送機関の自由な通行。
なお、上記(2)の規定については、ベネズエラとの国境には適用されない。

第5条 例外的に、陸の国境で接する国に滞在している外国人が、居住国に戻るフライトに搭乗するために国境を越える必要がある場合には、以下の要件を満たすとき、連邦警察の許可を得てブラジルに入国することができる。
(1)当該外国人は、空港に直接向かわなければならない。
(2)居住国の大使館又は領事館の公式の要請が必要である。
(3)当該航空券を提示しなければならない。

第6条 この政令で定める制限は、ブラジルの法律が求める場合には、入国ビザの携帯を含め、各自の事情に即した入国要件に従うことを条件として、ブラジルとパラグアイの間において、陸路による外国人の入国を妨げるものではない。

第7条 この政令で定める制限は、ブラジルの法律が求める場合には、入国ビザの携帯を含め、各自の事情に即した入国要件に従うことを条件として、外国人が、空路で入国することを妨げるものではない。
(1)ブラジル人であるか外国人であるかを問わず、国外から入国する渡航者は、搭乗前に、搭乗便を担当する航空会社に対し、以下の書類を提出しなければならない。
ア 以下の基準を満たした、搭乗前72 時間以内に実施されたSARS-CoV-2感染の有無に関する検査(RT-PCR)による陰性証明書
*1 証明書は、ポルトガル語、スペイン語又は英語で提示される必要がある。
*2 検査は、搭乗国の保健当局に認められた検査機関で実施される必要がある。
*3 72時間の期間に関し、空港の制限区域内に留まる乗り継ぎ又は途中降機を伴う便の場合には、最初の一区間の搭乗に関連して考慮される。
*4 RT-PCR検査終了後から72時間を超える移動を行う渡航者は、ブラジルに向かう便にチェックインする際、SARS-CoV-2感染の有無に関する新たな検査(RT-PCR)による陰性証明書を提示しなければならない。
*5 同伴する12歳未満の子供については、全ての同伴者が搭乗前72 時間以内に行われたSARS-CoV-2感染の有無に関する検査(RT-PCR)による陰性証明書を提示することを条件に、陰性証明書の提示が免除される。
*6 同伴者なしで渡航する2歳以上12歳未満の子供については、搭乗前72 時間以内に行われたSARS-CoV-2感染の有無に関する検査(RT-PCR)による陰性証明書を提示しなければならない。
*7 2歳未満の子供は、ブラジルへの渡航のための陰性証明書の提示が免除される。
*8 (省略):航空事業者等に対する陰性証明書免除措置

イ ブラジル滞在期間中における衛生管理措置の遵守義務に対する同意事項を含む、搭乗前72 時間以内に作成された旅行者健康状態申告書(Declaracao de Saude do Viajante)(紙又は電子媒体)
(2)第7条で言及されている渡航者は、衛生当局による事前の承認なしに渡航者を降機させないことを条件としたブラジル領内における国外からの航空機のテクニカルランディングの場合、(1)が免除される。
(3)英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)及び南アフリカからブラジルへの国際便、又は英国及び南アフリカを経由したブラジルへの国際便は、一時的に禁止される。
(4)過去14日以内に英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)及び南アフリカを出発又は経由した外国人渡航者のブラジル行きの便への搭乗許可は、一時的に停止される。
(5)移住当局は、第3条に記載されていない者が、8(1)又は8(4)に規定された要件を満たさない場合には、衛生当局の要請を受けて、その入国を阻止することができる。
(6)ブラジルに入国する際、過去14日以内に英国(グレートブリテン及び北アイルランド連合王国)及び南アフリカに滞在した経歴を有する第3条の規定に該当する渡航者は、14日間の隔離措置を講じなければならない。

第8条 この政令で定める措置に従わない違反者への対応は、以下のとおり。
(1) 民事、行政及び刑事上の責任を問われる。
(2) 即時の送還又は国外追放される。
(3) 難民申請資格を喪失する。

第9条、第10条(省略):ブラジル政府の新型コロナウイルス感染症ガイドライン作成等に関する条項

第11条 各省庁は、本件政令の規定を遵守するために、その権限の範囲内で必要な措置を講ずるものとする。

第12条 2020年12月23日付政令第651号(政令第648号に航空事業者等に対する措置が追加されたもの)は廃止される。

第13条 この政令は、公布日より施行する。